知って得する歯の知識


虫歯は痛い!でも治療はもっと痛い?


🔴 歯の痛みってなに? 

歯が痛いと言っても歯そのものの痛みだけではなく、歯をとりまく歯周組織の痛みも含みます。しかし、そのほとんどがほんの小さな歯の破壊「虫歯」から始まるのです。
ではなぜ虫歯になるといたいのでしょうか?

 生きているから痛いんだ!

歯の構造図を見ると分かるように、歯も皮膚と同じように血液が流れ、神経が通っているのです。ですから怪我をすれば痛いのと同じように歯に穴が開けば痛いのです。皮膚は再生して傷は治りますが、歯は再生しません。そこで治療が必要となるのです。

 とにかく歯が痛い!

身体の中にバイ菌や毒素が入ると、それらを排除するための防衛反応が起こります。これを炎症と言います。たとえば、蚊にさされると赤く腫れるのは蚊のバイ菌を排除するために血液が集まり白血球やリンパ球がバイ菌と戦っているのです。歯も同じように虫歯の穴から歯髄にバイ菌が侵入すると、歯髄腔は充血し内圧が高まり神経繊維を圧迫しズキンズキンと痛むのです。
そう、歯は固い組織に被われているため腫れる事ができない分、とても痛むのです。しかも、飲み食いするたびに刺激されさらに痛むのです。

 歯からのSOS信号!

歯の痛みはバイ菌の侵入を知らせる警報なのです。ズキズキ痛むのをなんとか我慢し、SOSを無視しているとやがてあまり痛まなくなります。「治ってきたのかなー」と思うのは大間違い、虫歯は自然治癒しません!それは、歯髄腔でのバイ菌との戦いに敗れ、SOSを送っていた神経までも戦死してしまったからなのです。歯髄腔を占領したバイ菌は、歯の根を通り歯槽骨へと戦場を広げさらなる痛みを引き起こし、骨膜を破り頬を腫らし・・・・。SOS、歯の痛みは大切な信号なのです。受信したら早急に受診することをおすすめします。

 

 

🔴 治療はもっと痛い? 

怪我をしているところに触れたり薬を塗ると痛いのと同じように、虫歯も刺激すれば痛みます。ましてや歯の治療では削ったり水をかけたりと、自然治癒しないぶん人工的に手を加えなくてはならず、刺激となり痛むのです。

 虫歯の治療は痛くて怖い。

口のなかで何が行われているのだろう?音はうるさいし、頭までひびくし、でも見えない・・。
このような不安が恐怖となり、精神的に痛みを倍増させているのです。
本当に怖いのは、
手入れをせず虫歯になること、痛くて怖いからといって治療しないこと、歯の大切さを知らないこと、なのです。

 歯科治療の目的。

口は消化器官の入口で、その口からの栄養補給をスムーズ行えるるようにする。つまり一生自分の歯で噛めることが歯科治療の目標です。人ゆえに発音や審美回復を目的とすることもありますが、痛みを取り除いたり、穴を塞ぐのが目的ではありません。機能を回復させるのが目的なのです。痛みが無くなった、食物がつまらなくなった、からといって治療を中断しないようにしてください。

 

 


人はなぜ歯みがきをするのか?


 

🔴 生きるための食から味わうための食へ

 

おお昔、人間には歯を磨くという習憤は勿論ありません。しかし、それ程多くむし歯や歯槽膿漏で悩まされることも無かったようです。それは、硬くて繊維質に富んだ食物を良く噛みながら食べることによって、歯、歯肉、あごが鍛えられ、ひとりでに予防ができたからです。ところが文明の発達は食物を自然食から人工食へと変化させました。即ち、生きるための食から味わうための食へと変化していったのです。食生活の進歩は、逆に人間の歯の破壊へとつながったことはまぎれもない事実です。犬やさる猿でも人間と同じものを食べていれば虫歯になります。米をつぶしてもち状にしたものを食べるようになってから日本では虫歯が急に増えたと言われています。江戸時代まで、人間が歯の痛みから逃れるためには、歯を抜く以外に方法はなかったのです。

 

 

🔴 人生50年ならば歯みがきは必要ない?

 

昨今、食生活の改善が長寿への橋渡しとして強くさけぱれるようになってきました。人生50年の時代から80~100年の時代へと変わってきています。どんな物にも寿命はありますが、少しでも長持ちさせるためには、補修管理,整備,保全(メインテナンス)いわゆるお手入れが必要です。ここへきて人々は、食生活には欠かせない歯をいかに守るかを考えなければならなくなりました。歯科医学の進歩は目覚ましいものがありますが、治療した歯はしょせん永久にもつものではないのです。私たちが本当に虫歯、歯周病から歯を守るためには、どうすればよいか?最も効果的な方法は何か?考えた時、それは、毎日のプラ-クコントロ-ルを行うことが一番良い結果をうみだすことが判明したのです。治療医学から予防医学への第一歩です!そしてこれからは、虫歯や歯周病になりにくい健康な歯を目指すために、お口の中だけではなく体質改善、生活改善、そして環境改善までも考える時代となっているのです。